カレーは健康食?

一般的に、インド料理やカレーは健康に良い、というイメージが強いんじゃないだろうか?
お店のメニューや貼り紙などで「カレーは健康食です」と唱われているのを目にした人も多いだろう。
確かに、カレーに使われているスパイスは漢方薬の原料と共通するものが多い。
美味しんぼ」でも、カレーの味がイマイチだったら漢方胃腸薬を入れると美味しくなる、何故ならスパイス=漢方薬だからだ、なんて無茶なエピソードが出てたりしたし。(でもホントに割と美味くなるという話も聞いた事あるけど...)
あと、トウガラシなんかはカプサイシンを含んでいて新陳代謝に良いし、インド料理はアーユルヴェーダに基づいてうんたらかんたらで〜とか、インド4千年の秘伝とか、そこまで色々言われると、そうかなあ...うんそうかも、そうに違いない!と思ってしまうのも無理はない。
でも、カレーはホントに「健康に良い食べ物」なんだろうか?
日本のインド料理店で出ているカレーの多くは、王様や貴族なんかが食べていたいわゆる「ご馳走」がベースになっているパターンが中心なので、油もかなり多く使われてるし、ナッツ類やバター、生クリームなどもふんだんに使われている。
具が肉類の場合だけでなくて、野菜のカレーもこうしたクリーミーなルーがベースになっている事が多い。
量ってみないとわからないけど、多分間違いなくカロリーも高いんではないだろうか?
こんなものを毎日たらふく食べてたらあっという間に成人病になってしまいそうな気がするんだけど、どうだろうか...?
大体インドでは、以前はでっぷり太ってると「裕福な証拠」という事でモテモテのいい男扱いだったらしいし、という事はやっぱこういうの食べてると太るって事じゃないのか?
それに、いくらスパイスが薬と言ったって、漢方薬のように症状や健康状態に合わせて調合されている訳でもないし、むやみやたらに採っても健康にいいという訳ではないだろう。
インドカレーだけでなく日本風や欧風のカレーも同様だし、市販のカレールーも大量の油が使われていて小麦粉や塩分も多そうだ。
こう考えると、少なくとも日本においては「カレーは健康食だ」というのは、どうも宣伝用のキャッチコピー位にしか思えなくなってくるんだけど、どうだろうか?
ただし、インド等の一般家庭で普段から食べてる食事は、もっとシンプルで油もスパイスも控え目らしいし、何よりも野菜中心で、ベジタリアンはもちろんノンベジでも肉はたまにしか食べない、という話を良く聞く。(ムスリム色の強い一部の地方などでは、家庭でもコッテリ系の料理や肉類を多く食べるかもしれないけど...)
また、家庭の主婦は、季節や家族の体調などに合わせて使うスパイスや素材を加減したりするらしいし、きっと本当の意味でアーユルヴェーダが根付いているんだろう。
ナンではなく精製前の小麦を使ったチャパティなんかが主食だし、ゴハンも軽い食感のインディカ米だし、こういう食べ方なら、確かに健康に良いと言えるかもしれない。
地域的には、南インド系の料理はあっさりしていて、菜食中心でヘルシーな感じがする。
日本のインド料理屋やカレー屋でも、食材や作り方に気を使い、本当に健康指向のものを出している料理人の方もいるだろう。
ということは、ある意味「健康食」というのも間違では無いとも言えるけど、それはあくまでカレーを良く知り使いこなしてこそ言える事だと思う。
まあ色々グダグダ言ってみたけど、あんまり深刻に考えず、とりあえずカレーは健康食だと思い込んで過度の期待をしない方がいいという位の事かもしれない。
日本人の僕等としては、健康にいいかどうかはともかくとして、まずは「カレーは美味しい食べ物」だというスタンスでいいんじゃないですかね?
僕は体に良かろうと悪かろうとカレーはガンガン食うけどね。だって中毒だもん...
ところで話はちょっとそれるけど、体にいいものは美味しいって話は良く聞くけど、体に悪いものもやっぱ美味しかったりするんだよね。
以前、いつもガマンしてプリン体カットのビールを飲んでいた痛風の人が、久々に普通のビール飲みながらしみじみ言ってたなあ...
「あ〜ウマい!本当に美味しいんだなあ!プリン体って...」