インド料理店のインド人は本当にインド人なのか?

何だか良くわからないタイトルで申し訳ない。
要するに、いわゆる「インド料理店」では多くの場合インド人のスタッフ(経営者、料理人、ウェイター&ウェイトレスなどなど)が働いている事が多いけど、あの人たちは本当にインド人なのか?という事なんだけど...何だか余計訳がわからなくなってきたなあ...
「インド料理店におるのはインド人に決まっとろうが!」と思うのもごもっともだけど、実はどうやらそうでもなかったりする。
別に統計をとったわけではないから確信は持てないけど、色々な話を総合すると、経営者も含め、実はインド人以外のネパールとかパキスタンスリランカなどの、インドの近隣諸国の方々もかなり多いらしい。
日本人からしてみれば、顔だけ見て「あっ、ネパール人」「この人パキスタン人じゃん」とか即座にわかる訳ないので、インド人だと思い込んでしまうのは仕方がないけど、インドとパキスタンみたいに政治的に微妙な国同士もあるので、注意が必要な場合も多いそうだ。
それはそうと、ではネパールやパキスタンの方々がなぜインド料理店なのか?
日本ではカレー=インドのイメージが強くてメジャー感もあるので、例えばネパール人が店を出そうとしても、商売上「インド料理」としないと客受けが悪くて、そうせざるを得ないという事情があるらしい。
まあ、でも、どうせインドも周辺の国も同じようなもの食ってるんだろ、と思うかもしれないけど、インド国内ですら地方によって料理のスタイルが全然違う位だから、本来は一緒くたにできないものだったりする。
例えば欧米などの国で、日本人が日本料理の店を出したいけどイマイチ受けが悪いので中華料理の店を出してます、って感じに近いかも。
(実際欧米の日本料理店って、中国人や韓国人の料理人だったりする事も多いらしい...)
欧米人からみれば、日本人も中国人も韓国人も見た目では区別がつかないし、寿司と水餃子とキムチが一緒に出てきても何も疑問に思わないだろう。
自国の料理にはありえないナンやタンドリーチキンなども出したりして、皆さん生き残りの為に頑張っているのだ。
インド料理店の中には、よく見ると店名の前に「インド・ネパール料理」とか「インド・パキスタン料理」とか、インド以外の国名を組み合わせて表記している店も意外に多い。
これらの店も、おそらく諸事情あって自国の料理単体での勝負を避けて、やむなくインド料理も銘打っているのではないかと思う。
しかし、食文化が多様化してきた昨今では、「ネパール料理」「スリランカ料理」などをあえて前面に押し出して勝負する店も多くなってきた。
それぞれの国ごとに料理の種類や調理法に特徴があり、こうした店に食べに行くのも結構楽しいので頑張って欲しいけど、日本人のカレー=インド料理の感覚はそう簡単には変わらないだろうな。
まあ、自国の名前を堂々と名乗れるようになると良いのにねと思う一方、日本のインド料理店の大半が「ネパール料理店」とかになってしまったら、それはそれで複雑な心境だなあ...