かんたん、本格!スパイスカレー

カレー本紹介の第2弾です。
「東京スパイス番長」などでカレー好きには有名な水野仁輔さんのインドカレー入門書です。水野さんといえば、カレーのレシピ本を数多く出しているのに、インド料理系のジャンルが少ない印象があったんですが、ここ数年は精力的にリリースしてますね。
その中でもこの本は割と入門編的な内容で、最初はクミン、ターメリック、レッドペッパーのたった3種のスパイスで作る「基本のチキンカレー」から出発するようになってます。インド料理のレシピ本では、こうしてミニマムな最小限のスパイスからスタートして、そこから徐々に肉付けしていくようなアプローチは、意外に画期的だったりするんではないかと思います。
例えば、マニアックな例えで恐縮ですが、エレキギターなどの電気楽器の音色を作る時、エフェクターという音色を変える機材を何種類かつないで、それぞれの効果を組み合わせて音を調整していくんですが、最近は初心者向けに複数種類の機材がセットでパッケージされているマルチエフェクターというのがあって、それを使うと最初から「○○風の音」とか既に調整された音色が入っていて、面倒な手順無しに好みの音が出せるようになっています。しかし、最初からこれを使ってしまうと、一つ一つの機材の効果や組み合わせ方を覚えられないので、いざ自分で音色をアレンジしたい時に何をどうすれば良いのかわからないという事態になります。
それで、ギターの音作りには、まず何も機材を使わないスッピンのギター本来の音を良く聞いて、足りないものをアンプやエフェクターで少しずつ足していくのが良いとされていますが、インドカレー作りでも、こうしてカレーとして成り立つギリギリ最小限の所から出発して、少しずつスパイスを足していくアプローチの方が、各スパイスの効果が良くわかって上達には効果的なんではないかと、実際僕もこの本のレシピでいくつか作ってみて、実感したりしてます。
初心者向けですが、中級者くらいでも基本に立ち返っていろんな再発見ができる本ではないかと思います。
それにしても、分かりにくい例えでスイマセン...