インド家庭料理入門

インド家庭料理入門―アーユルヴェーダで食べる朝昼夕晩

インド家庭料理入門―アーユルヴェーダで食べる朝昼夕晩

長野出身の邦子さんが、カルカッタ出身の夫ジョイさんとの家庭生活のエピソードなどを交えながら、インド料理のレシピを紹介している本です。
タイトル通りインドの家庭料理を扱っていますが、ジョイさんはカルカッタ出身なので、登場する料理は日本で馴染みの深い北インド系の料理と似ているようで微妙に違う「東インド」のベンガル料理が中心だと思われます。
東インドといえば、ガンジス川あたりでとれる魚介類のカレーなんかが特徴、というイメージがありますね。ジョイさんが、スーパーで鯉を売っているのを見つけて「ベンガルの魚をみつけた!」と狂喜乱舞するくだりなど、ベンガル人の魚好きが良くわかるシーンが頻繁に出てきます。
他にも、「ジョール」なんていう薄いスープのようなカレーなんかもこの地方独特のものなのかな?スパイスを漉して使うそうですが、そういうアプローチは初めて知りました。
読んでると、東インドの食文化というのは「北と南」ほど鮮明な違いではないけど、やっぱり日本のインド料理店で食べるものとは微妙にちがうんだな、ということを何となく感じます。やっぱりインドは広い国ですねえ。一面だけを見て、これがインド料理だと言い切れないんですね。
邦子さんはアレルギー体質を治したくてインドに渡って、見事に体質改善して、ジョイさんと結婚して帰国されたそうです。家族の生活を通じた色々なエピソードが書かれているので、レシピ本としてだけではなく、読み物としても十分楽しめる内容だと思います。